Archive for 2021

  • pho

    November.16.2021

    PHOBOS

    PHOBOSは”生命体”のような曲線をイメージしながらデザインされました。その前にリリースされたDEIMOSで使った技法を使いながら、少しグロテスクな人間の臓器や腱にインスプレーションを受けたと言います。確かにDEIMOSよりもデフォルメされた生命感を感じて頂けるでしょう。 こういった特殊な曲面はなかなかマシーンで表現することが出来ないので、どうしてもクラフトマン達の手仕事によって実現されます。GROOVERはこういった丸みのある曲面の風合いを持ったモデルが多いのですが、日本でもこういった技術がある工場は殆どありません。日本でも手作業で曲面を作り出すことが出来るメガネ工場は僅か数軒しか残っていないと思います。ですので、海外のバイヤーにGROOVERはとても響くのでしょう。恐らく見たこともない、カッティングがそこにあるのだと思います。

  • 素材2

    March.15.2021

    WHAT’S GROOVER ?

    今年1月に元!?ZOZOの前澤友作さんが発表した「10億円を10人の起業家に投資する 前澤ファンド」に、かねてよりやりたかったプロジェクトがあり応募しました。 昨年より自分の中でその「やりたかったプロジェクト」を企画書化していて、投資家の方などにお会いさせて頂きピッチも行っていました。 締め切りまで一週間くらいしかない短い期間で応募出来たのも、こういった背景があったからこそのものでした。   結果は↓↓↓ 約3ヶ月が経過した5月初めに到着した書類審査は「合格」。 応募総数4331件中485件が1次審査を突破したとのことでした。 私は締め切り後に発表された応募総数4331件をみて、あの期間でそれだけの数の企画書を出せるんだと感心し、日本も捨てたもんじゃないなと妙に嬉しくなりました。 スタートアップのプロジェクトが参加応募できる、10億円規模のファンドなんてほとんどありませんから誰にとってもチャンスなわけです。 2次審査の締切も3日ほどで回答する質問形式で、自分なりにこれ以上無い回答に仕上げました。     2次審査の結果は↓↓↓  回答から2ヶ月以上経った先週に通知がありました。     不合格   残念!せめて面談まではいきたかった。   このプロジェクトを提出したのが1月の終わり頃。 その時はコロナウィルスの感染拡大がこれほど世界中に影響を及ぼすとは考えられていませんでした。コロナウィルスの騒動があって、私の海外出張が全てキャンセルになり時間が出来たので応募する時間が取れたというのもあります。 更に企画書提出から半年が経過し、プロジェクトはファンドの審査をしている最中も進行していました。 その中で心境の変化というか企業やブランドのあり方について思うことが多くあり、このファンド応募を通して多くの事を勉強しました。 2次審査の結果に至る経緯は公表されませんでしたが、1次審査で指摘された内容が全てだと思っています。 ただ、これは私がモノやブランドを作って販売していく以上、避けては通れない壁だと思っています。 よくIT企業は売上10億円もあれば上場できると言われますが、小売はその10倍の売上があっても難しいと言われています。 そのあたりの成長性や、バイアウトまで時間が掛かりすぎてしまうネックを払拭出来なかったわけです。 上場なんてこれまで考えたこともなかったですし、今でも企業やブランドとしてそれが「幸せか?」というところに強い疑問があります。 投資家の方にご支援頂く以上、そのようなことを第一に考えなくてはなりませんが、そこがずっと引っかかっていました。   ファンドが不合格でもこの新しいプロジェクトは進めています。自分の力でまずは形にしてみようと動いています。 その先でどこかの金融機関か投資家の方に、協力をお願いする事もあるかも知れません。 当初、これまでやってきたプロジェクトの10倍を超える概算に怯んでいました。しかしフェーズ分けし資金の調達方法や収益を前倒しするなど、何とかやり繰り出来る算段をつけられました。今思えばこれはどれだけ私が「本気か」で決着がつく事だったのだと思えます。 この自粛期間中は時間があったので、もう2つくらいプロジェクトを考え企画書化しました。 それは助成金申請や、プロジェクトを可視化するために使用しています。こういった事を繰り返しているうちに、スペシャルなスキルを持った専門家の方とチームを組む事が出来ました。何にも変え難いネックワークです。 全て企画書はアイウェアに関わる総体的なものだったり根幹的なものだったりします。これ以外の事が思い付きません。 GROOVERやGOODMAN LENS MANUFACTURE、GYARDを始めたときと同じように、着実にブランドを育てていきたいなぁと言う想いが強くなりました。それらのブランドをより熟成させる事も組み込んでいます。 あっちもこっちもやらなきゃいけないので、とても大変ですが嫌いじゃありません。 どこかで皆様にこのプロジェクトのお披露目が出来る日が来ることを願っております。 アイウェアの仕事は私の人生そのものなので、死ぬまでずっとやり続けていると思います。     メガネナカジマ 中島正貴